記念すべき第一弾は、私が心を寄せる作品『リトル・マーメイド』について書き綴ろうと思います🌊🪸🫧
本日11月17日は『リトル・マーメイド』にとって記念すべき日です。この日は、ディズニーアニメーションのふるさとであるアメリカでスクリーンデビューした日、つまり、映画が公開された日になります。初めてお披露目された日なので、それはまさに誕生した日といっても過言ではないのです。
ディズニーファンのなかには、こうした各作品のスクリーンデビューを誕生日のように祝い、作品を偲ぶファンも多くいます。バースデーケーキを用意して、その想いを捧げる人もいます。ファンにとってスクリーンデビューは、とても大切な記念日なのです。
今年はディズニー100周年、今日はスクリーンデビューの日ということで、私はコラムを捧げていきたいと思います。
『リトル・マーメイド』(英題『THE LITTLE MERMAID』)とは、「人間の世界にあこがれる好奇心旺盛な人魚のプリンセス」、主人公アリエルの物語です。
「アリエルは水面まで泳ぎ出る自由奔放な冒険心を持っています。激しい嵐の中で船から投げ出された人間を、父の言いつけに背いても助けた優しい彼女は、その人間エリック王子に恋をし、自らの声を犠牲にしてまでも魔女と取引し、陸の世界へ踏み出します。アリエルの、どんな困難な状況でもあきらめず、夢を追い求める強い姿勢こそが、周りの心を動かしハッピーエンドへと導いたのです。」
(引用: https://www.disney.co.jp/fc/princess/character/ariel 2023年11月17日閲覧.)
というのがあらすじです。
以下、Disney+より2023年11月配信分を視聴した雑感を述べていきます。なお、「」内の表記は、読みやすいように少し漢字に直しています。
物語は、空と海の景色から海の中へと潜っていくところからはじまります。
このとき、背後で流れている曲が本作のメインソングでもある『パート・オブ・ユア・ワールド』(英題『Part of Your World』作曲Alan Menken)です。
ゆったりとした海中、打ち寄せる波を彷彿させるようなメロディーで、アリエルの想いを表すような雰囲気を漂わせています。この曲は変調やテンポを変えて、随所に登場していきます。
深い深い、温かい海の底には黄金に輝くトリトン王の城がそびえ立っています。
トリトン王の自慢の娘たちによる音楽コンサートが始まろうとしましたが、末娘のアリエルだけ行方不明です。このときアリエルは、天敵サメがうろつく沈没船で人間の持ち物を物色していました。
アリエルはとっても好奇心溢れるため、恐怖心はむしろ冒険のスパイスのようなもののようです。(ほとんどの)海の生物が恐れる人間でさえも、アリエルにとっては興味津々の様子。
それどころか、アリエルは人間に強く惹かれており、その知的好奇心はとどまるところを知らないため、こっそり陸に上がっては未だ見ぬ人間に思い馳せているようです。
アリエルは家族に内緒で、自分の宝物の秘密基地を作り、そこには海の中で拾い集めた、人間の持ち物で埋め尽くされています。絵画や日用品まで、実に見事なコレクションです。
アリエルは由緒正しき王家の王女です。生活に困ることはなく、声はこの海で一番美しく、見た目も愛らしい人魚です。
「何でも持ってる 私は すべて」
「まわり中 取り囲む なんてたくさんの宝物」
「陸にあるもの ぜんぶ 手に入れた」
自分の望むもの全てを手にしていると歌にします。けれど、アリエルはこう呟きます。
「だけど 足りない 何か」
アリエルは完璧で満たされているはずなのに、何か足りない、何か満たされないと訴えます。
一見羨ましい生活に見えますが、アリエルが心から望むものは絶対に手に入らないものだと分かります。それは、
「歩いて 走って 日の光あびながら 自由に」 生きることです。
これが叶うのならば、今持っている全てをなげうってでも何でもすると歌います。
アリエルが望むものは、自分の好きなように、自由に生きること、それだけでした。アリエルは絶対に叶うはずのない夢だと知りながら、手に入らないものを心から望み続けます。
その心の空洞を埋めるために、こうして宝物で囲い続けているようです。
アリエルは何故これほど人間に興味を持っているかというと、拾い集めた宝物を見て人間とは、「こんなにすばらしいもの作る」存在だと感じたからです。
周囲の人魚は、人間は危険だというけれど、アリエルは見た目だけでなく、形の内側にある本質を見抜こうとしていることも伝わります。
こうしたアリエルの想いや自身の夢を理解してくれない父トリトン王に、
「陸にはいないわ あんな分からず屋は」
「私は子どもじゃないのよ」
と反抗心を顕にします。
「分からないこと たくさん 教えてほしいこと たくさん なぜ火は燃えるの? 教えて」
アリエルは叶わぬ夢だと知っているけれど、抑えきれない自分を必死に抱えていることが伝わります。
アリエルは子どものときから関わり方が変わらない父親に対して、子ども扱いされている、本当の自分を見てくれていない、本当のわたしの声が伝わらない、そう嘆いているようにも感じられます。
子と親のすれ違っていく様がよく分かります。
アリエルは16歳設定といわれていますが、この時期はこれまでに作り上げられた自我が、大きく動き変化していく年齢でもあります。
これまでの生活を振り返り、他者と比べて、本当の自分とは何か、自分の生きる道とは何か、流浪の旅が始まるときでもあるのです。
アリエルは本当の自分を知りたい、本当の自分に出会いたいと強く願います。この願いによる反動でアリエルとトリトン王は、まさに親子の衝突が起き始めています。これまでの家族関係、家族の歴史を揺るがす事態に陥っていくことが想像されます。
子どもを抑え込もうとする親、親の圧力をはね返そうとする子ども。
こうして一般化してみると、かなり身近に感じられませんか?
さて、その先についても書いていこうと思いますが、それはまた次回に持ち越そうと思います☺️
次回から物語が大きく動き始めます🎆🚢